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発達障害について

「発達障害(developmental disorder)」は今から約 60 年前にアメリカで登場し、1987 年の精神医学協会 の診断マニュアル(DSM-III-R)にて診断名の一つとしてひろまりました。私たちが子どもの頃にそんな言 葉は一般的ではなかったはずですが、今では多くの人が知っている言葉でもあります。そして、わずか7 年後の 1994 年に改訂されたマニュアル(DSM- IV)では消えてしまった言葉でもあります。日本では発達障碍、発達障がいとして現在も広く使われています。

 

人間のこころはどこにあるのでしょうか?行動を決めるものは何でしょうか? それは脳です。脳は非常に多数の因子から構成されていて、顔つきや体格と同じように、その機能は生まれ持った時から人それぞれバランスが 異なります。その違いが私には魅力と感じられます。人と同じことしかできないと人に埋もれてします。しかし、毎日を平和に暮らすソーシャルスキルは必要ですね。

精神の成長とは、脳という器官の発達とそれを促す刺激(環境)が加わることで加速して進んでいきます。

 

発達障害を指すとき、それは主に4つに分けられます。

  1. 知的障害
  2. 自閉症スペクトラム(ASD)
  3. 特異的発達障害(SLD)
  4. 注意欠陥多動性障害(ADHD)

わかりにくくなっている原因は、これらの概念が別々の領域で研究をされてきたためです。別々の支流が 一つの大きな川になって混じり合ったような感じです。だから専門家でもわかりにくい。

ここでは、発達障害とは「何らかの精神発達の遅れを持ち、それが生きにくさをもたらしているもの」と 考えます。どんな精神機能(心のはたらき・行動)の発達が遅れているのか、どれくらい遅れているのか の違いで上記の1〜4に分けて考えます。しかし、現実の子どもたちを見ると、A くんは1番、B くんは 2番とはっきりと分けられるものではありません。大抵はどっちともつかにものを同時に持っています。大事なことはその割合は人によって違うことです。

 

子どもと関わる時にまず大切なことは、その子の発達の引き出しに、「何が」「どれくらい」入っているの かを把握することです。そして必要な支援を決める。

支援とは発達の遅れているところを支えて伸ばす働きかけです。普通の子育てでなされている関わりを、 より丁寧で細やかな配慮や専門的な知識に基づく工夫のもとに行っていきます。それが Study Lab Roots の学習を通した支援です。支援のタイミングは早い方が良いです。「様子を見ましょう」では、支援は後手に回ってしまいます。StudyLabRoots が行う関わりはその子が後で振り返ってみると、発達障害に入らなかったとしても、マ イナスにはならない支援です。皆さまのお役に立ちたい気持ちと専門的な配慮や工夫の詰まった学習塾 です。

 

 臨床心理士・公認心理師/ 徳本潤子