注意欠如多動症(ADHD)の3つの特徴
①注意集中の困難
・一つのことに注意を持続させることが苦手で脳疲労起きやすい。
・何かに注意を向けていても他の刺激が入るとパッと注意が移ってしまう。
・脱線しやすく、勉強していても気になったことがあるとそれを調べてしまう。(注意が転動しやすい)
。好きなことには集中しつ続けてしまい切り替えが苦手。(過集中)
②多動性
・落ち着きがない。長時間じっとしていられず身体のどこかが動いてしまう。
・授業中に席に座っていることができない。
・おしゃべりが止まらない。
・周りのペースに合わせて行動することが苦手で、せっかち。
③衝動性
・衝動や欲求のコントロールが苦手で、我慢できずにすぐに突き動かされてしまう。
・説明を最後まで聞けずに作業に取り掛かってしまう。
・状況を見ずに行動に走る傾向がある。待つことができない。
ADHDのお薬と効果
精神科ではADHDへは薬物療法がファーストチョイスです。現在、メチルフェニデート除放錠、アトモキセチン、グアンファシン除放錠がADHD治療薬として承認されています。薬物治療の有効率は70%と言われています。ただし、何らかの作用効果が見られたという数値を含めての有効率です。服薬前と後では、WISCの検査結果も変化します。お薬が脳に対して作用していることがわかります。子どもによっては、ぐちゃぐちゃだったノートが綺麗に書けるようになったり、イライラが落ち着いたりと分かりやすく効果を感じられる場合もあります。しかし、服薬には本人の納得が不可欠ですし、子どもの頑張りを後押しする役割がありますが、子ども自身が自己コントロールかんを身につけつけていくことが何よりも大切です。
ADHDへの学習支援
・ステップバイステップで「できた」体験を積み重ねる。例えば、教室に45分座っていられない子には、最初はなんとかできる10分を目標に設定し、少しづつ目標を上げていきます。子どもが目標を達成できた後には、そのことをしっかりと喜びあい、休憩を挟んでから次の目標である15分に取り組み、ステップバイステップで「自分はできる」自信を育みます。
・一人では難しい課題や状況では声掛けなのどのアシストが必要です。勉強中に子どもが他ごとを始めたら、「集中切れてきたよ、少し休憩する?」など、子どもの様子を見ながら声掛けをし、その頻度が減っていくことが理想です。
・「〇〇してはいけない」ではなく、「〇〇を仕様」という目標の設定をすることによって、能動的な自己コントロール感を養います。「ゲームをしてはいけない」ではなく、「一日30分学習の時間を作っていこう」など、建設的な目標を作り、子どもがそれに取り組み、振り返り、工夫や修正をするということが大切です。