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子どものADHD(注意欠如多動症)とは?症状と支援の方法について解説

子どものADHDとは?


もしかしてADHD?子どものADHDとは、DSM5という診断基準マニュアルでは、注意欠如、多動性、衝動性の3つの特徴が、保育所や幼稚園、学校、家庭などで6ヶ月以上みられる場合に診断されます。子どもの脳は成長途中であり、注意力をコントロールする部位もまだ成長途中です。しかし、これらの症状のために発達が妨げられるほど、つまり学校や生活において問題となるほどである場合に診断されます。

①注意集中の困難


・一つのことに注意を持続させることが苦手で、勉強や一つのことに一定時間取り組めない。

・何かに注意を向けていても他の刺激が入るとパッと注意が移ってしまう。

・脱線しやすく、勉強していても気になったことがあるとそれを調べてしまう。(注意が転動しやすい)

・好きなことには集中しつ続けてしまい切り替えが苦手。(過集中)

・忘れ物が多い、片付けが苦手。

②多動性


・騒いだり、動き回ってしまうことが多い。

・授業中に席に座っていることができずに、席を離れて歩き回る。

・体の一部が動いてしまったり、むずむずしてしまう。

・おしゃべりが止まらなくて注意されてしまう。

・順番を待つことや、周りのペースに合わせて行動することが苦手で待てない。

③衝動性


・衝動や欲求のコントロールが苦手で、我慢できずにすぐに突き動かされてしまう。

・説明を最後まで聞けずに作業に取り掛かってしまう。

・状況を見ずに行動に走る傾向がある。待つことができない。

ADHDのお薬と効果


精神科ではADHDへは薬物療法がファーストチョイスです。現在、メチルフェニデート除放錠(コンサータ)、アトモキセチン(ストラテラ)、グアンファシン除放錠(インチュニブ)がADHD治療薬として承認されています。薬物治療の有効率は70%と言われています。ただし、何らかの作用効果が見られたという数値を含めての有効率です。服薬前と後では、WISCの検査結果も変化します。お薬が脳に対して作用していることがわかります。子どもによっては、ぐちゃぐちゃだったノートが綺麗に書けるようになったり、イライラが落ち着いたりと分かりやすく効果を感じられる場合もあります。しかし、服薬には本人の納得が不可欠ですし、子どもの頑張りを後押しする役割がありますが、子ども自身が自己コントロールかんを身につけつけていくことが何よりも大切です。

ADHDへの学習支援


・ステップバイステップで「できた」体験を積み重ねることが大切です。例えば、教室に45分座っていられない子には、最初はなんとかできる10分を目標に設定し、少しづつ目標を上げていきます。子どもが目標を達成できた後には、そのことをしっかりと喜びあい、休憩を挟んでから次の目標である15分に取り組み、ステップバイステップで「自分はできる」自信を育みます。

 

・一人では難しい課題や状況では声掛けなのどのアシストが必要です。勉強中に子どもが他ごとを始めたら、「集中切れてきたよ、少し休憩する?」など、子どもの様子を見ながら声掛けをし、その頻度が減っていくことが理想です。

 

・「〇〇してはいけない」ではなく、「〇〇を仕様」という目標の設定をすることによって、能動的な自己コントロール感を養います。「ゲームをしてはいけない」ではなく、「一日30分学習の時間を作っていこう」など、建設的な目標を作り、子どもがそれに取り組み、振り返り、工夫や修正をするということが大切です。