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ビジョントレーニングとは?

子どもの学習力をアップするビジョントレーニングとは?効果や方法を解説


ビジョントレーニングとは、視覚システムを教育することで、視覚スキルを向上させ、読書、学習、集中力、注意力を向上させるものです。視覚追跡、ピント合わせ、目と手の協調、視覚処理速度などの視覚能力を高めます。

 

ビジョントレーニングは、スポーツ選手の動体視力を鍛えることで、パフォーマンス向上に効果があることはよく知られています。子どもの場合、視覚機能の向上によって、情報処理能力が向上し、学習成績・集中力・運動能力の向上にも効果があるとされています。

視覚機能の低下している子どもは、教科書を読む読解力やそれを理解することが難しくなります。トレーニングすることで、視覚機能が向上し、学習の成果が上がることが期待できます。

ビジョントレーニングは、継続して行うことで効果が期待できます。子どもの年齢や視覚機能の状態に合わせて、無理のない範囲で取り組むことが大切です。

視覚トレーニングで子どもの学習力をアップ!


 

ビジョントレーニングによって鍛えられるのは、目の筋肉だけではありません。視覚能力と連動する脳とのコミュニケーションの改善にも繋がります。

視覚情報は、目の網膜で受け取られた後、脳の視覚野で処理されます。ビジョントレーニングを行うことで、視覚情報を正確に捉える力や、視覚情報を脳で処理する速度が向上します。

視覚情報を正確に捉えることで、不注意なミスが減り、文章を正確に読み取り、理解する力の向上にも繋がります。そのため、結果として学業成績が向上します。

視覚機能の低下した子どもは、集中して視覚情報を処理するために余分な努力が必要になります。それが疲労や頭痛、読書や勉強を避けることにも繋がります。

 

ビジョントレーニングによって、視覚機能が向上すれば、これらの問題が改善され、子どもが学習に集中しやすくなります。

こんな子にビジョントレーニングはおすすめ


・読書中の単語の読み飛ばし、文末を勝手読みしてしまう子。例:「だろう」→「だった」

・読みのスキルが少ない図工・体育などは好きだけれども、国語・算数などの教科書を読む学習は嫌いな傾向がある。

・本を読みたがらない。流暢に読むことが苦手で時間がかかる。

・注意力を維持するのが苦手。ペーパーテストでうっかりミスが多い。

・板書が苦手で、書くスピードが遅い。

・文字が綺麗に書けなく、マス目に収めて書くことがとても苦手。

ビジョントレーニングのやり方


①アイストレッチ


まずは準備運動の目のストレッチから始めます。これはパルミングと言われ、目のヨガとも言われ目の周りの筋肉の緊張をおぐし、疲労を回復させます。やり方は簡単で、両手をこすり合わせて暖かくし、目を覆うようにそっと手のひらをのせて5分間、静かに呼吸をします。

②まばたきエクササイズ


デジタル機器を長時間使っていると、まばたきの回数が減ります。瞬きが減ると、目は乾燥さしたドライアイとなり疲労を感じやすくなります。まばたきエクササイズで、涙液膜を回復させることができます。まぶたの油腺を刺激し、潤滑油の分泌を促し、涙を目に行き渡らせる効果もあります。まばたきのエクササイズでは、目を閉じて2秒間休止し、再び目を開けるという簡単な方法です。その時にぎゅっと目をつむると油脂腺がさらに刺激されます。


③目の筋肉のエクササイズ


目の周りの眼輪筋を鍛えながら、跳躍性眼球運動のためのエクササイズです。図のように、親指を立てて肩の位置まであげましょう。左右は肩の幅程度に開いてください。親指をポイントにして、左右に視線を動かしていきます。この繰り返しを30秒を1セットで行います。上下、斜めのポイントも作りそれぞれのセットを毎日繰り返します。目の周りの眼輪筋を動かすことで同時にストレッチの効果も得られます。見ているものの位置から、他の場所へ視線を移動させることで、跳躍性眼球運動と言われる機能の向上にもつながります。跳躍性眼球運動のトレーニングによって、単語から単語へ移動するように、標的間で焦点を移動させる練習になり文字の読み飛ばし減り、板書のスピードの改善、目と手の協応する力が上がることで字の乱雑さの改善にもつながります。

ビジョントレーニングのやり方
ビジョントレーニングのやり方
ビジョントレーニングのやり方

④ペンシルエクササイズ


鉛筆を1本縦に持ち、できるだけ自分の目の近くに引き寄せます。腕をゆっくりと伸ばしていきピントを合わせていきましょう。腕を伸ばしきったらまた、鼻に鉛筆を近づけていきましょう。二重に見えたらまた遠ざけてを何度か繰り返します。近くのものを見て、目を収縮させて、焦点と奥行き近くのためのトレーニングです。黒板を見てからノートを書くような、遠くのものから、近くのものへ焦点を移動させる練習となり、知覚が鍛えられると手の運動反応も改善します。

スマホやタブレットが原因?子どもの横方向の目の動きが苦手な原因


子どもへのビジョントレーニングを行なっていくと、上下はできても、左右の横方向の目の動きが苦手な子が多く見られます。

 

現代の子どもは、スマホやタブレットなどの電子機器の使用時間が長くなっています。これらの機器の画面は小さく、視線を上下左右に動かす範囲が限られています。そのため、横方向の目の動きが苦手になる子どもが増えていると考えられます。

 

横方向の目の動きは、読書や勉強、スポーツなど、さまざまな場面で必要です。横方向の目の動きが苦手な子どもは、勉強での単語の読み飛ばし、文末の勝手読みや、板書で字を書くときには、視線が追いつかず、ゆっくりとなる、文字が汚くなることがあります。

 

ビジョントレーニングは、横方向の目の動きを含む、さまざまな視覚機能を向上させるトレーニングです。ビジョントレーニングを継続的に行うことで、横方向の目の動きが改善され、これらの問題を解決する効果が期待できます。

ビジョントレーニングは、筋トレと同じでコツコツと行うことが大切です。1日5分程度の取り組みでも、効果は見られてきます。子どもの視覚機能の状態を把握し、適切なトレーニング方法をサポートすることが大切です。

発達検査・視覚関連スキルを測る検査・WAVES


Study Lab Rootsでは、視覚関連スキルを測る検査のWAVESを受けていただけます。WAVESは、視知覚、目と手の協応、眼球運動の3領域から、お子様の見る力のどこが苦手であるのかを詳細に知ることができる検査です。

検査の結果をもとに、お子様の視覚機能の弱点に合わせたトレーニングや学習方法をアドバイスいたします。また、親や教師の方にも、お子様の視覚機能を理解し、トレーニングを継続的にサポートするための方法をレクチャーいたします。

ビジョントレーニングは、視覚機能を向上させるための効果的な方法ですが、あくまでも補助的な手段です。視覚機能の低下が原因で学習に困難を抱えている場合には、早めに専門医を受診し、適切な治療や指導を受けることが大切です。

Study Lab Rootsは、お子様の視覚機能の向上と学習支援に取り組む、専門の教育機関です。お子様の学習に不安や困難を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。